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急に始まった転職活動で、自分の軸を見つめ直した話

投稿日: 2026/3/16

キャリア転職振り返り

プロダクト停止をきっかけに始まった転職活動を通じて、自分の価値観やキャリアの軸を整理し、次の環境を選んだ経験について。

はじめに

今回、思いがけない形で転職活動を始めることになりました。

もともと転職はまったく考えておらず、当時は目の前の課題に向き合いながら、これからどんな強みを伸ばしていくべきかを考えている最中でした。

特に感じていたのは、自分にはまだ「これが武器です」と言い切れるものがないという課題です。

以前から、市場で評価されるためには何が必要なのかは意識していました。
その中で、自分が仕事をするうえで大切にしていることは、次の3つでした。

  • お金を稼ぐこと
    自由に選べる選択肢を増やしたい
  • 楽しく開発すること
    仲間と話しながら、ユーザーを起点に開発したい
  • ドメインへの興味
    できれば医療系のような、自身が興味のある領域に関わりたい

この中でも、自分にとって特に大きかったのは、お金を稼げること、つまり市場価値を高めることでした。

そして市場価値を高めるためには、単に実装ができるだけではなく、自分で考えて設計や意思決定ができる人になることが必要だと考えていました。

これまでも、DB設計や仕様決定でどう意思決定していくかの場面に関わる機会はありました。
ただ、まだ十分に経験を積めている感覚はなく、もっとそこを伸ばしていきたいと思っていました。

実際、マネージャーからも、今後のキャリアの方向性としてこんなフィードバックをもらっていました。

  • まずは自分のメインウェポンを作る
  • そのうえで近接領域の技術や役割も理解する
  • DevOpsのように技術を使って課題改善や支援に関わる
  • プロセス改善やチーム支援にも視野を広げる
  • そうした経験を積みながら、将来的にはEMにもつなげていく

当時は、そのフィードバックをもとに、具体的にどんな役割やキャリアの広がりがあるのかを調べている途中でした。

そんな中で、出来事は突然やってきました。


転職のきっかけ

12月下旬、経営判断として突然「プロダクトを止める」という通達がありました。

メンバーも自分も、正直「え……?」という反応でした。

これまで心血を注いできたプロダクトだったので、すぐには現実として受け止めきれませんでした。
自分の中では、目の前の課題をどう解いていくか、その先にどんな成長を作れるかを考えていたので、急にその前提がなくなった感覚でした。

とはいえ、状況は変わりません。
そこから、転職活動を進めざるを得なくなりました。


大事にしている価値観を整理した

転職活動を始めるにあたって、まず最初にやったのは、
自分がこれから何を大事にして働きたいのかを整理することでした。

もともと大切にしていた価値観をベースに、改めて考え直した結果、次の3つが自分の軸になりました。

ユーザーを起点に意思決定できること

自分は、ただ「お客さんに言われたから作る」「要望があるから機能を追加する」という進め方よりも、
その機能で何の課題を解決するのかを、ユーザー視点で考えられる環境を大事にしたいと思っています。

これまで所属していたチームの文化も、そうしたユーザー視点を大切にしていました。
だからこそ次の環境でも、同じようにユーザーを起点に意思決定できるかは重視していました。

ある程度の安定性があること

今回の経験を通して、自分の仕事そのものが経営判断によって急になくなる可能性があることを、かなりリアルに感じました。

変化のある環境自体を否定したいわけではありません。
ただ、自分としては次の会社を考えるうえで、事業として一定の安定性があるかも見るようになりました。

具体的には、次のような点を気にしていました。

  • メイン事業以外にも複数の柱があり、一定のリスクヘッジができていそうか
  • AIによってすぐに代替されにくい事業か
  • 極端に不安定なフェーズではないか

AIと共存しながら、職能を広げられること

今後AIがさらに発展していく中で、これまで自分が積み上げてきた「書く技術」だけでは差別化が難しくなっていくと感じています。

実装そのものは今後ますますコモディティ化していくはずです。
だからこそ、エンジニアリングだけに閉じず、AIを使いこなしながら、より広い視点で価値を出せるようになる必要があると思いました。

そのため、安定していることは大事にしつつも、役割が細かく固定されすぎた環境より、
自分の職能を越えて動ける余地がある組織に魅力を感じていました。


実際の転職活動で感じたこと

転職活動を進める中で、ほぼ必ず聞かれたのは、これまでやってきた経験についてでした。

以前の転職活動では、技術的な質問を受けることが多かった印象があります。
一方で今回は、

  • どんな課題があったのか
  • そのとき何を考えていたのか
  • なぜその意思決定をしたのか
  • その中で自分はどんな役割を担っていたのか

といった、経験の中身や意思決定の背景を深掘りされることが多かったです。

この点については、普段から自分の成果や考えていたことをメモしていたのが助かりました。
まだロジカルに整理して話し切るのは課題だと感じましたが、それでも当時の自分なりに、やってきたことを伝えられたと思います。

実際、そこがうまく言語化できずに落ちた企業もありました。
このあたりは、今後も伸ばしていきたい課題です。

また印象に残ったのは、一定数の企業が技術課題やアルゴリズム問題を選考に入れていたことです。

技術課題そのものを否定したいわけではありません。
ただ今回は、志望度がかなり高い企業を除いて、技術課題にはあまり時間をかけないようにしていました。

理由はシンプルで、時間をかけるほど、落ちたときのコストが大きいと感じたからです。
それなら、次の良い出会いを探す方に集中したいと思っていました。

アルゴリズム問題については、普通に解けずに落ちたところもありました。
練習すれば解けるものもあったと思いますが、AI時代において、それをどこまで自分の強みとして磨くべきかは、今でも少し考えるところがあります。


最終的にどう決めたのか

いくつかの企業を見ていく中で、最終的には、少数精鋭で、自分の職能を越えて動ける環境だと感じられる会社にご縁がありました。

そこは、自分が大事にしていた価値観を満たしていると感じた会社でした。

最終的な決め手は、価値観の一致だけではありません。
いちばん大きかったのは、このメンバーと一緒に働きたいと思えたことでした。

選考を通して感じた空気感や、話しやすさ、価値観の近さを含めて、
「ここなら自然に力を出せそうだ」と思えたのが、その会社でした。

また、AIと共存していくことに対しても感度が高く、単に危機感があるだけでなく、組織として柔軟に変化していこうとしていることが伝わってきました。
その意味でも、これからの変化に対して機動力のある環境だと感じました。

もともと自分はキャリアとしてEMを目指したい気持ちがあります。
その挑戦ができそうだったことに加えて、仮に今後EMという役割自体が変化したとしても、他の領域に広がっていける余地があることにも魅力を感じました。

人によっては、「裁量が大きい環境」は不安定に見えるかもしれません。
でも自分にとっては、その余白が前向きに働きました。

次の環境では、これまでの経験を活かしながら、今まで以上にユーザーを見て動き、落ちているボールはできるだけ自分で拾いにいくくらいの気持ちで頑張りたいと思っています。


さいごに

プロダクトの停止と部署の解散をきっかけに、思いがけず始まった今回の転職活動でしたが、
振り返ってみると、AIによって大きく変わっていく時代の中で、自分の経験や価値観を棚卸しする良い機会になりました。

約3年と少しお世話になった会社を離れ、多くの人と別れ、新しい環境に進むことになります。
寂しさはありますが、それ以上に、次の場所でまた挑戦していこうという気持ちが強くなっています。

これまでの経験を土台にしながら、次のステージでは、より広い視点で価値を出せるように頑張っていきたいです。